レプチン: ラットレプチン ELISA キット (YK050)
ob遺伝子の構造解析から推定されたたんぱく質、レプチンは167アミノ酸残基から構成され、その投与によってob/obマウスおよび正常マウスに食欲減退と、体重・体脂肪量・血糖値および血中インスリン値の低下が現れることが知られています。また、脳のニューロンペプチドY(NPY)の遺伝子発現が低下しその生合成の抑制効果もみられます。近年、ヒトレプチンの定量が可能になり、ヒト肥満患者では血中レプチン濃度が上昇していること、その濃度は体脂肪率に良く相関することが明らかにされました。これらの結果から、血中レプチン濃度は、脂肪組織重量を反映すると考えられ、肥満の診断や治療の優れた指標となりうることが示されました。最近、脂肪細胞はエネルギー貯蔵のみならず、レプチンやTNF-αなどのサイトカインをも分泌する細胞としての役割でも注目されております。マウス、ヒトに続きラットのob遺伝子産物の構造も明らかにされました。ラットレプチンはマウスレプチンとの高い相同性(95%)を示しますが、ヒトレプチンとはN末端部およびC末端部でそれぞれ数残基のアミノ酸の置換が認められています。こうした背景からラットを用いる研究に必須である高感度のラットレプチン測定系の確立が求められておりました。
矢内原研究所では、ラットレプチン測定系の開発を進め、従来法に比し極めて優れた性能を有するELISA系を確立することができました。この測定系は、測定対象サンプル量が微量(20または50μL)で済み、測定に要する時間が約5.5時間です。
本ELISA系には、抗レプチンモノクローナル抗体、および家兎抗ラットレプチン血清を用い、標準抗原として組換えラットレプチン、標識抗体として西洋ワサビ過酸化酵素(HRP)標識抗レプチンポリクローナル抗体を用いております。
▼定価70,000円です。
▼78.1~20000 pg/mLの範囲で測定できます。
▼細胞培養液、血清・血漿サンプルの測定ができます。
▼検体量は 20 or 50μLです。
▼同時再現性 CV(%) 3.9~4.5
▼日差再現性 CV(%) 6.2~9.5
<特異性>
本キットはラットレプチンに特異的であり、ヒトレプチンとの交差反応性は0.02~0.04%以下にすぎません。なお、ラットIL-1α、IL-1β、ラットTNF-α、ヒトTNF-αおよび他のサイトカインとは交差反応を認めません。
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