レプチン: ラットレプチン-HS ELISA キット (YK051)
ob遺伝子の構造解析から推定されたたんぱく質、レプチンは167アミノ酸残基から構成され、その投与によってob/obマウスおよび正常マウスに食欲減退と、体重・体脂肪量・血糖値および血中インスリン値の低下が現れることが知られています。また、脳のニューロペプチドY(NPY)の遺伝子発現が低下しその生合成の抑制効果もみられます。近年、ヒトレプチンの定量が可能になり、ヒト肥満患者では血中レプチン濃度が上昇していること、その濃度は体脂肪率によく相関することが明らかにされました。この結果から、血中レプチン濃度は、脂肪組織重量を反映すると考えられ、肥満の診断や治療の優れた指標となりうることが示されました。最近、脂肪細胞はエネルギー貯蔵のみならず、レプチン、アディポネクチン及びTNF-αなどのアディポサイトカインをも分泌する細胞として注目され、マウス、ヒトに続きラットのob遺伝子産物の構造も明らかにされました。ラットレプチンの一次構造はマウスレプチンのそれと高い相同性(96%)を示しますが、ヒトレプチンとはN末端部およびC末端部でそれぞれ数残基のアミノ酸の置換が認められています。こうした背景からラットを用いる研究に必須であるラットレプチン測定系の確立が求められていました。
矢内原研究所ではラットレプチン測定系の開発を進め、従来法に比して優れた性能を有するELISAキットYK050 Rat Leptin ELISAを開発し、製造販売してまいりましたが、この度さらに高感度のラット血清・血漿中レプチン測定系としてのELISA系を確立することができました。この測定系は、測定対象サンプルが微量(25μL)で済み、測定に要する時間はおよそ6.5時間となっています。本改良ELISAキットYK051 Rat Leptin-HS ELISAでは従来測定できなかった低濃度のラット血中レプチン量も測定することが可能となり、種々のレプチン研究を進める上で極めて有効に使用できるものとなりました。
▼ 定価70,000円です。
▼78.1~2500 pg/mLの範囲で測定できます。
▼血清・血漿サンプルの測定ができます。
▼検体量は 25μLです。
▼同時再現性 CV(%) 血清:1.8~4.5 血漿:3.2~5.9
▼日差再現性 CV(%) 血清:4.2~5.2 血漿:3.1~6.1
<特異性>
本キットはヒトレプチンと0.41%、マウスレプチンと3.1%の交差反応性が認められます。ラットIL-1α、ラットIL-1β、ラットTNF-α、ヒトTNF-αおよび他のサイトカインとの交差反応性は認められません。
YK051 Rat Leptin-HS ELISA 取扱説明書(PDF)
YK051 Rat Leptin-HS ELISA (SDS)
Leptin関連キット
Mouse Leptin ELISA Kit (YK052)