レプチン: マウスレプチン ELISA キット (YK052)
ob遺伝子の構造解析から推定されたたんぱく質、レプチンは146アミノ酸残基から構成され、その投与によってob/obマウスおよび正常マウスに食欲減退と、体重・体脂肪量・血糖値および血中インスリン値の低下が現れることが知られています。また、脳のニューロペプチドY(NPY)の遺伝子発現が低下しその生合成の抑制効果もみられます。近年、ヒトレプチンの定量が可能になり、ヒト肥満患者では血中レプチン濃度が上昇していること、その濃度は体脂肪率によく相関することが明らかにされました。この結果から、血中レプチン濃度は、脂肪組織重量を反映すると考えられ、肥満の診断や治療の優れた指標となりうることが示されました。最近、脂肪細胞はエネルギー貯蔵のみならず、レプチン、アディポネクチン及びTNF-αなどのアディポサイトカインをも分泌する細胞として注目されてマウス、ヒトに続きラットのob遺伝子産物の構造も明らかにされました。マウスレプチンの一次構造はラットレプチンのそれと高い相同性(96%)を示しますが、ヒトレプチンとは中央部およびC末端部でかなりのアミノ酸残基の置換が認められています。こうした背景からマウスを用いる研究に必須であるマウスレプチン測定系の確立が求められていました。
矢内原研究所ではレプチン測定系の開発を進め、すでにYK050 Rat Leptin ELISA キットおよびYK051Rat Leptin-HS(高感度)ELISAキットを開発し、製造販売してまいりましたが、この度これらラットレプチン測定系に加え、マウス血中レプチンの測定系としてのELISA系を確立することができました。この測定系は、測定対象サンプルが微量(25 μL)で済み、測定に要する時間はおよそ6.5時間となっています。ラットレプチン測定キットに加え、マウス血中レプチン量も測定することが可能となり、種々のレプチン研究を進める上で極めて有効に使用できるものとなりました。
▼定価70,000円です。
▼0.313~20 ng/mLの範囲で測定できます。
▼血清サンプルの測定ができます。
▼検体量は 25μLです。
▼同時再現性CV(%) 血清:5.01~9.84
▼日差再現性CV(%) 血清:4.37~7.71
<交差反応性>
関連たんぱく質 交差反応性(%)
Mouse leptin 100.0
Rat leptin 33.8
Human leptin 0.0
YK052 Mouse Leptin ELISA 取扱説明書(PDF)
YK052 Mouse Leptin ELISA (SDS)
Leptin関連キット
Rat Leptin-HS ELISA Kit (YK051)