オベスタチン : マウス/ラット オベスタチンEIA キット (YK230)
Obestatinは、ラットの胃から分離された23残基のアミノ酸からなるペプチドであり、前駆体を共有し摂食亢進作用を持つ Ghrelin に対し、摂食抑制作用を示しさらに胃内容物の排出や空腸の収縮に対する抑制作用を持っていることが明らかにされています。ラット組織の免疫染色では、 Obestatinは胃の粘膜細胞、腸管神経叢、精巣のLeydig 細胞に存在し、また、腸管神経叢のObestatin陽性神経細胞はほぼすべてCholine acetyltransferaseと共存しています。ラット大脳皮質神経培養実験では、100nM Obestatin処理により、細胞質内Caイオン濃度が上昇することが観察されています。さらにObestatinのラット脳室内投与により、自由な飲水、摂食状態にあるラットの飲水を抑制する作用があることが報告されています。また、Angiotensin II誘導の飲水行動も抑制することが明らかにされています。
なお、Obestatin はインスリン分泌や、グルコース代謝には直接的な影響はなく、食欲だけを抑制することにより糖代謝に影響を及ぼしているという報告があります。さらに、ラットにおける食欲抑制作用は飲水を抑えることにより二次的に起きたものだと推測されます。最近では、心臓虚血保護作用、心細胞アポトーシス抑制作用、視床下部ドーパミン放出の抑制作用などが報告されています。今後は、Obestatinが関与するエネルギーホメオスタシスと体重調節の研究など多彩の展開が期待されています。
今回本研究所において開発されたマウス/ラット Obestatin EIAキットは血清中免疫活性 Obestatinの直接測定を可能にしたもので、これにより生体内Obestatinの分泌様式や、血中レベル の変動などを検討する上で、有効なツールとして活用できるものであります。
▼ 定価86,000円です。
▼ 0.082~20 ng/mLの範囲で測定できます。
▼ 血清の測定ができます
▼ 検体量は25 μLです。
▼ 同時再現性 CV(%) 3.7~6.9 (マウス血清)、3.4~6.7 (ラット血清)
▼ 日差再現性 CV(%) 4.5~8.4 (マウス血清)、8.1~10.8 (ラット血清)
<特異性>
本キットはマウス/ラットObestatin と100%、マウス/ラットObestatin (11-23)-NH2と118.6%、マウス/ラットObestatin(1-23)-OHと0.5%、マウス/ラット/ヒトObestatin(1-10)と0.39%以下の交差反応性が認められます。ヒトObestatin、ヒトObestatin(11-23)-NH2との交差反応性は認められません。また、マウス/ラットGhrelin、マウス/ラットdes-Ghrelinとの交差反応性も認められません。
YK230 Mouse/Rat Obestatin EIA 取扱説明書 (PDF)
YK230 Mouse/Rat Obestatin EIA (SDS)
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