ウロコルチン1 : マウス/ラット ウロコルチン 1 EIA キット (YK210)
ウロコルチンは CRF(コルチコトロピン放出因子)ファミリーに属する新しいニューロペプチドとして分類され、現在、ウロコルチン-1,-2,-3 の3種類の存在が知られています。マウス並びにラットウロコルチン1 は40アミノ酸残基により構成されています。CRFは視床下部から分泌され、脳下垂体のACTHの放出を刺激し、ステロイドホルモンを分泌させることにより、ストレス機能の調節などに関与していると考えられています。また、CRF受容体として、急性ストレス応答に関与する1型受容体とストレスから引き起こされる不安、食欲不振および血圧異常の調節などに関与する2型受容体があります。ウロコルチン1 はこの1型受容体と2型受容体の両方に結合するリガンドとして注目されています。
ウロコルチン1 は血中のACTH、コルチゾールおよびANP(atrial natriuretic peptide)を増加させる他、グレリンを減少させて食欲の抑制などに関与しています。また、心不全の患者ではウロコルチン1 の血中濃度が上昇する傾向が見られることから、心不全の早期診断に有用であると考えられています。さらに、矢内原らはウロコルチン1 のラットの脳での分布を調べるため、ウロコルチン1 抗体を使用して免疫染色を行った結果、多数のニューロンでウロコルチン1 の免疫活性が発現されていることを見出しました。このことから、ウロコルチン1 は内分泌系にも関与し、血圧の調節や認知機能を果たしている可能性が示唆されています。
そこで、弊社では今回、マウス並びにラットの血漿および血清中に含まれるウロコルチン1 を測定するためのマウス/ラットウロコルチン1 EIAキットを新しく開発いたしました。本キットはウロコルチン2(マウス)、ウロコルチン2(ラット)、ウロコルチン3(マウス、ラット)、ACTH(マウス、ラット)、ACTH(ヒト)、CRF(マウス、ラット、ヒト)との交差反応性が極めて低く、マウス並びにラットの血漿および血清中におけるウロコルチン1 を特異的かつ高感度に測定できます。
▼ 定価86,000円です。
▼ 1.563~100 ng/mLの範囲で測定できます。
▼ 血漿、血清の測定ができます
▼ 検体量は10 μLです。
▼ 同時再現性:
ラット血清 CV(%) 2.87~9.48 ラット血漿 CV(%) 1.70~13.01
マウス血清 CV(%) 3.51~5.73 マウス血漿 CV(%) 3.14~5.32
▼ 日差再現性
ラット血清 CV(%) 4.44~7.76 ラット血漿 CV(%) 5.71~15.72
マウス血清 CV(%) 5.45~9.83 マウス血漿 CV(%) 8.70~10.12
<交差反応性>
関連ペプチド | 交差反応性 (%) |
Urocortin 1 (mouse, rat) | 100.0 |
Urocortin 1 (human) | 51.3 |
Urocortin 2 (mouse) | 0 |
Urocortin 2 (rat) | 0 |
Urocortin 3 (mouse, rat) | 0 |
ACTH (mouse, rat) | 0 |
ACTH (human) | 0 |
CRF (mouse, rat, human) | 0 |
YK210 Mouse / Rat Urocortin 1 EIA 取扱説明書(PDF)
YK210 Mouse / Rat Urocortin 1 EIA (SDS)
Urocortin 関連キット